東欧モルドヴァ北部で水の供給が停止、主要河川に石油流出 ロシアのウクライナ攻撃が原因か

長袖と長ズボンの赤い作業着を着た男性たちが、白くて長いオイルフェンスを担いで川の中へ入っている

画像提供, CNMC Moldova

画像説明, モルドヴァ当局によると、ドニエストル川に石油が流出した影響で、バルツィ市では飲用に適した水を供給できていない。画像はドニエストル川にオイルフェンスを設置する様子
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モルドヴァ当局はこのほど、北部の都市バルツィへの水の供給を停止した。ロシアの攻撃を受けたウクライナの水力発電所から石油が漏れ、ウクライナとモルドヴァを流れる川へ流出したとみられる。

ウクライナ当局によると、7日にロシアの攻撃を受けたドニエストル水力発電所から石油が流出し始めた。攻撃の3日後には、ドニエストル川で初めて油膜が確認された。同川はモルドヴァの大部分とウクライナ南西部オデーサ州にとって重要な水源だ。

モルドヴァは予防的措置として、16日にドニエストル川流域に15日間の警戒態勢を発令した。

モルドヴァ外務省はロシアのオレグ・オゼロフ駐モルドヴァ大使を呼び出し、汚染された川から採取した濁った水の入ったボトルを見せて抗議した。

モルドヴァのメディアによると、協議を終えたオゼロフ大使は記者の取材に応じなかった。

モルドヴァのゲオルゲ・ハイデル環境相は、水中の油分濃度が推奨基準値の1リットルあたり0.1ミリグラムまで下がった場合にのみ、給水を再開すると述べた。

16日夜時点の測定値について、モルドヴァ第3の都市バルツィを含む北部地域に供給するには数値が高すぎると、ハイデル環境相は説明。水道管に水を戻せるかどうかは、今後の測定結果次第だとした。

北部の三つの町も、水の供給危機に見舞われている。

ドニエストル川の汚染は、ウクライナ国内の水の供給にも影響を及ぼしている。イリーナ・オフチャレンコ経済環境副大臣によると、チェルニウツィー、ヴィニツィア、オデーサの各州で汚染が確認されている。

青いジャケットとネクタイの男性が、木製の椅子に座り、目の前に置かれたボトルの方を見ている。ボトルには茶色く濁った水が入っている

画像提供, モルドヴァ外務省

画像説明, ロシアのオレグ・オゼロフ駐モルドヴァ大使は、モルドヴァ外務省から、汚染された川から採取した濁った水の入ったボトルを見せられた

モルドヴァのハイデル環境相は先に、ウクライナ当局から、汚染源を封じ込めたとの説明があったと明らかにした。

バルツィでは、複数の学校がオンライン授業に切り替えている。当局は、住民に飲料水を供給するため、タンク車の手配に注力している。

モルドヴァの親欧派のマイア・サンドゥ大統領は、2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ウクライナを強力に支持。自国を攻撃から守っているとして、ウクライナ政府を称賛してきた。

サンドゥ大統領は、今回の石油汚染について、ロシアが「全責任を負っている」と述べた。

ロシアは長らく、サンドゥ氏が「ロシア嫌い」だと非難してきた。欧州連合(EU)がロシアによる「前例のない干渉」を指摘していた2024年のモルドヴァ大統領選で、サンドゥ氏は再選を果たした。

モルドヴァの人口は約240万人。親ロシア派が実効支配するモルドヴァ東部トランスニストリア地域には、ロシアの軍事基地がある。同地域は、ウクライナと接するモルドヴァの東部国境の大部分を占める。地元のテレビ報道によると、トランスニストリア地域でも石油汚染が確認されている。しかし、同地域の当局は、飲料水に対する制限措置を講じる予定はないとしている。

こうした中、モルドヴァの警察は、ウクライナとの国境から500メートル内陸にあるトゥドラ村に、「爆発装置」を搭載した「稼働中の」ロシアのドローンが着地したと発表した。