仏統一地方選、社会党が主な都市で政権を維持 主要政権にとって追い風に

ダークスーツ姿で白いひげを生やした男性が右手を上げて笑顔を見せている。背後では人々が手をたたくなどしている

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画像説明, パリでは社会党の新人、エマニュエル・グレゴワール氏が新市長に当選した
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フランスで22日、統一地方選挙の決選投票が実施され、中道左派・社会党(PS)とその同盟政党が、パリ、マルセイユ、リヨン、リールの4大都市で勢力を維持した。各主要政党にとっては、来年の大統領選挙に向けて希望のもてる結果となった。

パリ、マルセイユ、リールなどでは、左派政権が難なく、再び市政を握ることになった。現職の社会党候補たちは、極左勢力に対し、排他的な反ユダヤ主義を理由に距離を置いていた。

パリでは現職のアンヌ・イダルゴ市長(社会党)が3選を目指さず不出馬で、同党新人のエマニュエル・グレゴワール氏が事前の世論調査どおりに勝利。首都は左派の主要地盤との評判を裏付けた。イダルゴ市政は、強力な反自動車政策などが有権者からおおむね支持されていた。

一方、社会党が長年にわたり地盤としてきたクレルモン=フェランやブレストなどでは、有権者の票が中道や右派の政党に流れた。それらの都市では、社会党が極左政党・不屈のフランス(LFI)と連携したのが裏目に出た。これが、今回の選挙の大きな教訓となった。

例外的にリヨンでは、環境保護主義者のグレゴリー・ドゥセ市長が、LFIと提携しながらも勝利を収めた。右派の対立候補の実業家ジャン=ミシェル・オラス氏の選挙戦のまずさに救われた格好となった。

社会党のピエール・ジュヴェ幹事長はこの日の選挙結果を総括し、「今夜の結果から私は、LFIは何も勝ち取っていないという結論に達した。さらに悪いことに、敗北を招いたのはLFIだ」と述べた。

LFIをめぐっては、議員秘書の1人がリヨンの極右学生殺害を教唆したとして訴追されたことを受け、同党への投票のボイコットが呼びかけられていた。また、同党の扇動的な指導者ジャン=リュック・メランション氏は演説で、アメリカの性犯罪者のジェフリー・エプスティーン元被告(故人)がユダヤ人であることを冗談にした印象を与え、敵対勢力を激怒させた。

それでも、1週間前にあった第1回投票のあと、多くの社会党および緑の党の候補者は、LFIに対する反感を脇に置き、自分の勝利を確実にしたいと考え、LFIと協力関係を結んだ。右派は当時これを「恥の同盟」と呼んだ。

極左・極右の勢力拡大も

一方で、極左や極右の新進政党が地歩を広げた都市もあった。北部ルーベではLFIが、ニースでは極右政党・国民連合(RN)を率いるマリーヌ・ル・ペン氏の同盟政党が、それぞれ勝利した。

国民連合は、大統領選前の世論調査で他を大きく引き離して高い支持率を得ていたが、対立候補が結束して対抗した結果、マルセイユとトゥーロンでの目標を達成できなかった。マルセイユでは右派・共和党(LR)の候補が選挙戦に残り、右派票が二分された。

ニースで国民連合と共闘する共和国右派連合(UDR)のエリック・シオティ党首が現職に圧勝したことをめぐっては、ル・ペン氏との連携がタブーとされない、新しい右派の台頭を示すものだとして、国民連合が称賛した。

国民連合は地方の小都市でも強さを示し、モンタルジ、カルカソンヌ、ラ・セーヌ=シュル=メールで勝利した。だが、パリ北部のヴィレール=コトレの市長選では敗れた。

しかし、この夜の大きな勝者は、左派、右派、中道を問わず、主要政党だった。

エマニュエル・マクロン大統領を支持する中道政党・再生(ルネサンス)は、ボルドーで士気を高める勝利を収めた。中道派と右派の支持を得た元閣僚のトマ・カズナーヴ氏が、緑の党の現職を破ると見込まれている。

また、ノルマンディー地方のル・アーヴルでは、マクロン氏の下で首相を務めたエドゥアール・フィリップ氏が当選を確実にした。同氏は2027年の大統領選における中道派の有力候補と目されているが、地元での当選を立候補の条件にすると約束していた。