【ミラノ・コルティナ・パラ】 華やかな式典で閉幕 日本はメダル4個獲得

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2026年ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックは15日、イタリア北部のコルティナ・カーリング・センターで華やかな閉会式が催され、幕を閉じた。
1974年にスウェーデンで最初のパラリンピックが開かれてから50周年の節目となる今大会には、6競技79種目に、55カ国から過去最多の611人の選手が参加した。
「イタリア土産」をテーマにした閉会式は、音楽、ダンス、光の演出を織り交ぜながら、大会と全選手の功績をたたえた。
国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長は、「みなさんは、プレッシャー、期待、そして世界的な緊張を乗り超え、本来集中すべきである自分自身と競技に集中し続けた」と選手らを称賛した。
そして、「この大会はスポーツをたたえただけではない。私たちが人間の可能性を追求したとき、スポーツは他の何ものにも代えがたい方法で私たちを結びつけ、力を与えることを改めて思い出させた」と述べた。
パラリンピックの旗は、次の冬季大会を開催するフランス・アルプス地域の大会組織委員会へと引き継がれた。その後、ミラノとコルティナの両会場で聖火が消された。
日本からはこの大会に44選手が参加し、メダル4個(銀3個、銅1個)を獲得した。
以下、今大会で特に印象的だった話題を、BBCスポーツが振り返る。

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ロシアの復帰とメダル獲得で物議と抗議
国際パラリンピック委員会(IPC)は昨年9月、ロシアの出場停止処分を解除した。これを受け、今大会ではロシアの選手が2014年以来初めて、自国の旗の下で競技に臨んだ。アルペンスキーとクロスカントリースキーに計6選手が出場した。
ロシアと同国選手らは当初、国家ぐるみのドーピング問題で出場停止とされていた。2022年にロシアがウクライナを全面侵攻してからは、追加制裁が科された。

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今大会へのロシア選手の出場を受け、ウクライナを含む多くの国が、ヴェローナで催された開会式をボイコットした。
クロスカントリースキー女子スプリント・クラシカル(視覚障害)の表彰式では、銀メダルを獲得したドイツのリン・カツマイヤー選手とガイドのフロリアン・バウマンさんが抗議行動として、金メダルを獲得したロシアのアナスタシヤ・バギアン選手とガイドのセルゲイ・シニアキンさんに背を向ける場面があった。
ロシア代表チームは今大会、金メダル8個を含む計12個のメダルを獲得。メダルランキングでは3位になった。
マスターズ選手、再び大活躍
すでにパラリンピックのレジェンドとなっているアメリカのオクサナ・マスターズ選手が、クロスカントリースキーとバイアスロンで合わせて金メダル4個と銅メダル1個を獲得。パラリンピックで手にしたメダルを、冬季と夏季の合計で24個に伸ばし、名声を確固たるものにした。
アメリカの冬季パラリンピック選手の中で最も多くのメダルを獲得している36歳のマスターズ選手は、今大会で、夏季・冬季を問わず単一のパラリンピックで手にした金メダルの自己最多記録を更新した。
マスターズ選手は、チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故の放射線の影響とみられる先天的な障害がある。ウクライナの児童養護施設で何年か過ごした後、アメリカ人女性に養子として引き取られた。
9歳で左脚を、14歳で右足を切脚した。その後、パラローイング(ボート競技)、パラサイクリング(自転車競技)、冬季の各種競技で数々の栄誉に輝き、スポーツ界のスター選手になった。

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今大会の3週間前には、感染症と脳振とうに見舞われたが、それを乗り越えての大活躍だった。
今後の大きな予定として、パラアスリート仲間のアーロン・パイクさんとの結婚式がイタリアで控えている。その後、2028年ロサンゼルス・パラリンピックに出場する可能性がある。
中国勢が圧倒、メダル獲得国は増加
中国は今大会、パラリンピックの夏季と冬季を合わせた4大会連続で、メダル獲得の国別ランキングでトップとなった。今大会は、金15、銀13、銅16の計44個のメダルを獲得し、2位のアメリカ(24個)を大きく上回った。
大会としての新たな記録も生まれた。メダルを獲得した国別パラリンピック委員会が27件に上り、これまでの最多記録(1994年リレハンメル大会の25件)を破った。

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中国のメダル獲得は、2018年平昌大会では、車いすカーリングの金メダル1個にとどまっていた。しかし、その4年後の自国開催の北京大会で61個に急増した。
今大会で中国は、出場6競技すべてでメダルを獲得した。バイアスロンでは、全18個用意されていた金メダルのうち8個を手に入れた。同競技の男子立位の蔡佳雲選手は、全種目を制覇した。
他の国々の中には、出場すること自体が、メダル獲得以上に大きな意味をもつ国もあった。今大会では5カ国が初出場を果たした。その一つはハイチで、2010年に同国を襲った大地震で片足を失ったラルフ・エティエンヌ選手がアルペンスキーに出場した。
「1回目の滑走で、ハイチもスキーで競えると証明した」と同選手は話した。「レースの前から、私は勝利していた」。
開催国イタリアが好成績
2006年以来の開催国となったイタリアは、強い意気込みで大会に臨み、金メダル7個を含む計16個のメダルを獲得。国別のメダルランキングで、冬季大会の同国最高記録となる4位という結果を残した。
スノーボードのエマヌエル・ペラトナー選手と、アルペンスキー(視覚障害)のジャコモ・ベルタニョッリ選手が、それぞれ金メダル2個を獲得し、チームを引っ張った。
ペラトナー選手は膝に重度のけがを負う前、オリンピックに2度出場していた。今やパラ・スノーボード界のスターとなっており、今大会は出場2種目で圧倒的な強さで1位となった。

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ベルタニョッリ選手は、出場したアルペンスキー5種目すべてでメダルを獲得。イタリアのパラアルペンスキー選手で、最も多くのメダルを獲得した選手となった。
このほか、スノーボードのヤコポ・ルキーニ選手、アルペンスキーのキアラ・マッツェル選手、レネ・デ・シルヴェストロ選手も金メダルを獲得し、それぞれにとって忘れられない大会となった。
際立っていたその他の選手たち
国別メダルランキングでオーストリアが5位になったのは、多才な人々からなる、ある家族の活躍によるところが大きかった。
5人姉妹兄弟の三女ヴェロニカ・アイグナー選手と、末の双子の一人ヨハネス・アイグナー選手は、アルペンスキーで輝かしい活躍を見せた。ヴェロニカ選手は今大会、5種目に出場し、金メダル4個と銀メダル1個を獲得した。ヨハネス選手も金メダル3個と銅メダル1個を手にした。
また、この家族は音楽好きとしても知られており、ヴェロニカ選手とヨハネス選手は勝利後、オリンピック村でギターとアコーディオン、ハーモニカの演奏による即興コンサートを行ったという。
アメリカのクロスカントリースキーのジェイク・アディコフ選手は、同性愛者だと公表している男性として初めて、冬季パラリンピックで金メダルを獲得した。同選手は最終的には、同競技の視覚障害クラスで金メダルを総なめにした。
アイスホッケーのアメリカチームは、宿敵カナダを6対2で下し、今大会最後の金メダルを獲得。5連覇を達成し、世界一の実力を誇示した。











