イラン政権は「変わらず存続」も「弱体化している」 米情報機関トップが見解

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アメリカの情報当局トップは18日、イランの政権について、「変わらず存続」しているものの「大部分が弱体化している」との見解を示した。
タルシ・ギャバード国家情報長官はこの日、ドナルド・トランプ政権の他の情報当局幹部とともに連邦議会上院の公聴会に臨み、アメリカが直面する世界的脅威について2時間以上にわたり証言した。
イランとの戦争を2月下旬に始めて以降、アメリカの情報機関が公の場で説明するのは初めて。アメリカでは前日、テロ対策のトップが、同国はイランから差し迫った脅威を受けていないとして、イラン攻撃に抗議して辞任した。
米当局の情報活動を統括しているギャバード氏は情報委員会の公聴会で、ホルムズ海峡での問題発生は予測していたと述べた。
また、イランの政権については、「変わらず存続しているよう見えるが、指導部や軍事力への攻撃で、大部分が弱体化しているというのが、IC(情報機関のコミュニティー)の見立てだ」と述べた。
「差し迫った脅威」はあったのか
公聴会では、ジョン・オソフ上院議員(民主党)がギャバード氏に、昨年6月の「ミッドナイト・ハンマー作戦」でイランの核兵器開発能力は壊滅させたという評価だったにもかかわらず、今回もイランを差し迫った脅威とみなしていたのか、繰り返し質問した。
ギャバード氏は明確な回答を避け、「何が差し迫った脅威で、何がそうでないかを判断できるのは大統領だけだ」と述べた。
17日に辞任した国家テロ対策センターのジョー・ケント所長は、公開された辞表の中で、イランはアメリカにとって「差し迫った脅威」ではなかったと主張。今回の戦争を始めたトランプ氏を批判した。
しかし、この日の公聴会では、ギャバード氏とともに出席した中央情報局(CIA)のジョン・ラトクリフ長官が、ケント氏の見解には同意しないと発言。
「イランは長期間にわたりアメリカにとって継続的に脅威だったし、このたびも即時の脅威を与えていたと、私は考えている」と述べた。
イランの核開発については
イランの状態については、アメリカとイスラエルの攻撃によって軍事力が「ほぼ壊滅」していると、ギャバード氏は述べた。
ギャバード長官はまた、「イランは12日間戦争で核インフラに受けた深刻な被害から、回復しようとしている。核関連の義務履行を拒み続けている」と、情報機関コミュニティーがみていると述べた。
12日間戦争は、アメリカとイスラエルが2025年6月に12日間にわたり、イランの核爆弾製造能力の破壊を目的に同国を攻撃したことを指す。
ギャバード氏は、公聴会のために事前に出された書面では、これらの攻撃がイランの核濃縮計画を「壊滅させ」たと主張。イランは再建に向けた「いかなる努力もしていない」としていた。しかしこの日は、その部分を読み上げなかった。
マーク・ワーナー上院議員(民主党)が、書面のその部分をなぜ読み上げなかったのか尋ねると、ギャバード氏は発言が「長くなっていた」ので省略したと答えた。
ワーナー氏は、「つまり、大統領の主張と矛盾する部分を省いたわけだ」と述べた。トランプ氏は、イランが核兵器を開発していたため、同国への軍事行動は正当化されると主張しており、ワーナー氏はその点を突いた。
議員たちはこのほか、イラン攻撃を決断する際にトランプ氏の判断に情報当局がどれだけ関与していたのかも質問した。
メイン州選出のアングス・キング上院議員(無所属)は、トランプ氏が「最終判断」を下した時、情報機関幹部が「その場にいたのか」どうかを尋ねた。
ラトクリフCIA長官は、大統領とは「何十回も、何十回も」会議を共にしたものの、「特定の時に決定した」というタイミングがあったのかは分からないと答えた。
キング議員はまた、アメリカとの紛争の中でイランがホルムズ海峡を攻撃する可能性があると情報当局がトランプ氏に知らせていたかどうかを尋ねた。イランは、米・イスラエルによるイランへの戦争開始以来、この重要な石油輸送路を事実上封鎖している。
ラトクリフ長官は、「大統領は常に情報の報告を受けている」と述べた。さらに、イランが「アメリカの国益につながる地域各地のエネルギー関連施設を攻撃する」可能性に備え、国防総省は「防護措置を取った」と話した。
ギャバード氏は、各情報当局はかねて、今回のような事態ではイランが「ホルムズ海峡を押さえる可能性が高い」と評価していたと説明。情報当局のこの評価を受けて、国防総省が「予防的な計画措置」を講じたのだとも述べた。








